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2011年5月26日 (木)

【2011年全仏オープン】錦織は試合巧者のスタコフスキーに完敗

 頭脳派スタコフスキーに「自分のいいところを封じられた」と錦織圭。執拗なドロップショットと深いスライスに得意の連続攻撃を断ち切られ、最後まで主導権を握れなかった。ドロップショットが拾えそうで拾えない。ネット際まで追いかけて返球をミスする場面が多かった。サーブ&ボレーのスタコフスキーがベースラインでのプレーに徹したのも、大きな誤算だった。

 混乱、屈辱、悔い。錦織の心中には多くの感情が入り乱れただろう。そうやってフラストレーションを溜めながらの4セットは、苦行だったに違いない。ただ、その中でも自分のプレーを取り戻して第2セットを奪ったのは立派だった。

 「相手がうまいプレーをしてきた」と脱帽の錦織。スライスは低く滑り、錦織に高い打点からの強打を許さなかった。スライスとフラット系のストロークによる緩急は、錦織のリズムをかき乱した。こんな巧妙な相手と戦うのは初めての経験ではなかったか。経験値アップと思えば完敗の中にも光明を見つけることができる。師匠ブラッド・ギルバートの「醜く勝つ」を実践したのは、錦織ではなく相手のスタコフスキーだったのだから。

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秋山英宏
Akiyama Hidehiro

秋山英宏

1961年生まれ。大学卒業後、フリーランスライターとしてスポーツ、レジャー分野を中心に雑誌、新聞で執筆活動を行う。1987年からテニスの取材を開始し、グランドスラムをはじめ、国内外の主要トーナメントを取材。テニス専門誌に多くの観戦レポート、インタビュー記事などを執筆している。日本テニス協会広報委員会委員。