伊藤竜馬が5時間25分のマラソンマッチを制す【デビスカップ】
デビスカップ・アジア/オセアニアゾーン・グループ1の1回戦、日本対フィリピン戦の取材でフィリピン・セブ島に滞在中。
4日のシングルスは日本の2勝。中でも、ベテランのセシル・マミートを5時間25分のマラソンマッチの末に破った竜馬の頑張りは、見事のひと言だった。
日本の竹内映二監督が「ジェットコースターに乗っているようだった」と話したように、試合の主導権は両者の間を行ったり来たりした。
観戦できなかった方のために、試合展開を書いておこう。
第1セットは竜馬のサーブとフォアハンドが炸裂し、6-4。順調なスタートだった。
第2セット、ディフェンシブながら粘り強く戦うマミート。一方、竜馬はセット終盤にケイレンの兆候が出て、それを気にして動きが鈍った。竜馬はタイブレークの末にセットを失う。
第3セットは、セットブレークの間に水分と栄養を摂った竜馬が調子を戻し、6-3で奪う。冷静で、しかも積極的なプレーだった。
第4セットで最初のドラマ。竜馬が中盤の競り合いを抜け出し、5-2とリード。さすがのマミートも体力が落ちたのか少しプレーが淡泊になった。竹内監督も「セーフティリード」と見ていた。ところが竜馬があと1ゲームを取りきれない。勝ちを意識したというより、「暑さでもうろうとして」ボールに焦点が合わなかったというのだ。このセットはタイブレークでマミート。
第5セット。マミートがいきなり4-0とリード。竜馬は第4セットを逆転で失ったダメージが明らかだった。第5ゲームは竜馬のサーブで、15-40の場面もあった。しかし、ここから竜馬が息を吹き返す。マミートのパワーが残り少ないことを読み取った竜馬は、「頑張れば、まだいける」と確信していた。竜馬が4ゲーム連取で4-4に追いついた。
しかし、まだドラマは続く。竜馬がサービスを落とし、4-5。次のマミートのサービスゲームでは相手にマッチポイントが3本あった。だが、竜馬はアグレッシブなプレーで挽回に成功し、5-5。そして、6-5で迎えた第12ゲームには竜馬にマッチポイントが4本。ところが、どうしてもあと1ポイントが取れない。
マミートはこのデビスカップで敗退したら引退することを明らかにしていた。選手生命を懸けた、と言ったら安っぽいが、まさにそういう神懸かり的な踏ん張りだったと思う。
だが、マミートの体力はいよいよ残りわずかになっていた。一方の竜馬は体調も戻り、アグレッシブなショットが増えた。流れは完全に竜馬のものだった。竜馬が9-7でとうとう熱闘に終止符を打った。「最後は体力勝ちです」と竜馬は不敵に笑った。
大きなチャンスを逃して混戦にしてしまったことも事実。しかし、経験豊かで、しかも引退を懸けてエキストラのパワーを出したマミートを「最後の踏ん張りどころ」(伊藤)で振り切ったのは立派だった。

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