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2010年9月 9日 (木)

【2010年USオープン】錦織圭が世界13位のチリッチを破る

男子シングルス2回戦、錦織は4時間59分の死闘の末に、世界ランキング13位のマリン・チリッチ(クロアチア)を破った。

チリッチ自身、試合後には「両者がベストのプレーを出し合った試合ではなかった」と話しているが、彼の出来はどうだったのか。サーブの確率は52%。エースは13本。ファーストサーブが入った時のポイント獲得率は67%。どれも平凡な数字だ。いいときのチリッチは、もっとサーブからの展開に迫力がある。だが、これは錦織が相手のサーブによく食い下がった結果でもある。

トータルウイナーは54本と、錦織の47本を上回った。錦織のフォーストエラーは59本で、チリッチの49本より多かった。この数字から、チリッチが攻撃的なショットで錦織を苦しめたことが分かる。錦織のアンフォーストエラーは77本で、チリッチは93本。これは錦織がまさったが、自分からのエラーは攻撃的な選手には付き物だ。

なにより、錦織にフォアハンドで強打させないように、深いボール、弾道の低いボールを高い精度で打ち込んでいたことが印象に残る。試合は13番という小さなコートで行われ、私はコートのすぐ近くの席で観戦したので、ボールの迫力は十分に伝わった。切れ味は今ひとつだったが、その分、鈍器で殴りつけるような効果があったように感じた。

そのチリッチと5時間戦った末に、勝利を収めた錦織。両者のベストではないが、錦織はこの条件でできる限りのことをした。これは、彼の勝負に対する恐ろしい執念を感じさせる試合だった。また、彼のフィジカルとメンタルが一級品であることを知らしめる試合だった。

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秋山英宏
Akiyama Hidehiro

秋山英宏

1961年生まれ。大学卒業後、フリーランスライターとしてスポーツ、レジャー分野を中心に雑誌、新聞で執筆活動を行う。1987年からテニスの取材を開始し、グランドスラムをはじめ、国内外の主要トーナメントを取材。テニス専門誌に多くの観戦レポート、インタビュー記事などを執筆している。日本テニス協会広報委員会委員。