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2010年7月

2010年7月 4日 (日)

【2010年ウィンブルドン】セリーナ強し! 2年連続4度目の優勝

94。これが何の数字かお分かりだろうか。ベラ・ズボナレワ(ロシア)との女子シングルス決勝で、セリーナ・ウィリアムズ(米国)のファーストサーブが入った時のポイント獲得率である。サービスエース9本も女子では多い方だが、それ以上に、この試合を左右した数字がこの「94」だった。

第1セットは31本のうち20本、65%の確率でファーストサーブが入り、そのうち19本がポイント獲得に結びついた(96%)。第2セットでは、13本入ったファーストサーブのうち12本がポイントにつながった(92%)。つまり、ファーストサーブが入ったのにポイントが取れなかったのは、1試合で2本しかなかったのだ。これでは、サービスを落とすはずもない。実際、ズボナレワにブレークポイントの機会は一度もなかった。

マルチナ・ナブラチロワは、このセリーナのサーブに「女子テニス史上最強」の評価を下したという。対戦相手のズボナレワも、うまいことを言った。「彼女のサーブをブレークできないから、今度は自分のサーブでプレッシャーがかかる。だから、あのサーブは、ショットとして強力な武器であると同時に、メンタル面を破壊する武器でもある」。

セリーナのグランドスラムタイトルはこれで13個目。ビリー・ジーン・キングを抜いて、女子テニス史上6位となった。「こんなに優勝できて、とてもハッピー。思ってもみないことだったわ。でも、一つずつ夢をかなえた結果であり、努力のたまものね」。セリーナは、真っ白な歯を輝かせて微笑んだ。

2010年7月 2日 (金)

【2010年ウィンブルドン】セリーナ盤石! 連覇に前進

女子シングルス4強に残った選手で、グランドスラムの優勝経験があるのはセリーナ・ウィリアムズ(米国)のみ。ダントツの優勝候補は、この日の準決勝でも格の違いを見せつけた。

グランドスラム初の4強のペトラ・クビトバ(チェコ)もよく食い下がり、第1セットはセリーナが先にサービスブレークを許した。グランドスラムの準決勝で、格下に先行されるのは嫌なものだろう。しかし、セリーナはここでギアを一段上げる。

「ブレークバックはできれば早くほうがいい。チャンスが来たから、自分を奮い立たせたわ」と言うように、こともなげにブレークバックを果たすと、タイブレークもきっちり制した。要所を締めるセリーナの強さ、特に精神的な強さは際立っている。

会見で「決勝に向けて気をつけることは?」と聞かれると「自分に必要以上に重圧をかけないことね」。グランドスラムで12個のタイトルを持つセリーナだけに、メンタル面の準備は怠りないはずだ。

昨年11月にランキング1位に返り咲いたセリーナは今、キャリア2度目のピークを迎えている。円熟期を迎えたセリーナが、4度目のウィンブルドン制覇に大きく近づいた。

2010年7月 1日 (木)

【2010年ウィンブルドン】フェデラー、まさかの準々決勝敗退

過去の対戦成績8勝2敗、ATPランキング13位のトーマス・ベルディハ(チェコ)に、まさかの敗退。ロジャー・フェデラー(スイス)が早くもウィンブルドンを去った。

いつになくミスヒットが目立った。しかも、武器であるはずのフォアハンドがしっくりいかない感じだった。試合後の会見でフェデラーは、右足と背中に違和感があったことを打ち明けた。「どこかに痛みがあると、集中を保つのは難しい。思うようにはプレーできないものだよ」。たとえ言い訳と受け取られようとも、率直に自分の置かれている状態を明らかにするしかなかったのだろう。

これでまた、世界のテニスメディアでは王者の凋落が取り沙汰されるようになるだろう。28歳は老け込むような年齢ではないが、勝って当然という重圧を耐えてきた彼の肉体と精神にはかなりの蓄積疲労があるだろう。

確かにフェデラーとラファエル・ナダル(スペイン)の2強時代は揺らいでいるようにも見える。このベルディハや、全仏準々決勝でフェデラーを破ったロビン・セーデリング(スウェーデン)、昨年の全米決勝でフェデラーに打ち勝ったフアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン、現在は右手首の負傷で戦線離脱中)といったフラット系のハードヒッターの時代が訪れようとしている、との見方もある。

ただ、フェデラーも黙ってはいないはずだ。会見で「タイトル奪還に向けて、よりハングリーになれるだろうか」という質問に彼はこう答えている。

「そうだね。来年の全仏やウィンブルドンまで待っているわけにはいかないね。そこまで悪くなかったとはいえ、この2大会はあまりにもフラストレーションのたまるものだったからね。まずは休養をとって、北米シリーズからまた頑張るよ」

秋山英宏
Akiyama Hidehiro

秋山英宏

1961年生まれ。大学卒業後、フリーランスライターとしてスポーツ、レジャー分野を中心に雑誌、新聞で執筆活動を行う。1987年からテニスの取材を開始し、グランドスラムをはじめ、国内外の主要トーナメントを取材。テニス専門誌に多くの観戦レポート、インタビュー記事などを執筆している。日本テニス協会広報委員会委員。