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2010年6月29日 (火)

【2010年ウィンブルドン】ジュスティーヌ・エナン、無念の4回戦敗退

念願のタイトルに、またも手が届かなかった。今年の初めにカムバックしたエナンは、ウィンブルドンのタイトルをまだ手にしていないことを復帰の理由に挙げた。しかし、大会が第2週に入ったばかりのところで、夢は早くもついえた。

4回戦でキム・クライシュテルスと当たる厳しいドローだった。しかも第1セットの序盤にコートで転倒し、右ひじの腱を痛めた。プレーへの影響については「今は分からない」とエナンは言ったが、サーブとバックハンドに違和感があったことは認めている。大きな選手に立ち向かうために常に全力を出し切らなくてはならない彼女にとって、このハンディは大きかっただろう。

ただ、彼女はすでに来年を見据えている。実は大会の開幕前から「今回は優勝を狙える位置にいない」と話していた。この日の試合後も「今はまだ過渡期であり、改良すべき点がたくさんある。本当に重要なのは来年」というのだ。

今日の対戦相手クライシュテルスは昨年、カムバック早々の全米オープンで優勝を飾った。結婚、出産を経て、テニスというスポーツを純粋に楽しむことで手に入れたタイトルだった。エナンも復帰にあたり、「テニスを離れている間に人間的に成長した」とは話していたが、テニスに対する取り組み方そのものは変わっていないはずだ。彼女にとってテニスとは、あくまでも「究める」ものである。楽しんで勝つもの、ではない。だからこそ彼女は来年を見据えるのだろう。

夢は、ついえたのではない。本当の勝負はまだ先で、そこまでの一日一日の鍛錬こそ、エナンがテニスに取り組む理由なのである。

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秋山英宏
Akiyama Hidehiro

秋山英宏

1961年生まれ。大学卒業後、フリーランスライターとしてスポーツ、レジャー分野を中心に雑誌、新聞で執筆活動を行う。1987年からテニスの取材を開始し、グランドスラムをはじめ、国内外の主要トーナメントを取材。テニス専門誌に多くの観戦レポート、インタビュー記事などを執筆している。日本テニス協会広報委員会委員。