« 2010年1月 | メイン | 2010年6月 »

2010年5月

2010年5月15日 (土)

スポーツ界の先輩たちから錦織圭にエール

先日、『WOWOWテニス グランドスラム』の制作発表が都内で行われ、杉山愛さんが全仏以降のグランドスラム3大会の見どころを語った。また、杉山さんと元プロ野球選手の桑田真澄さんによるトークセッションも行われ、二人は復活を目指す錦織圭にエールを送った。

みずからも右肘じん帯断裂の大けがを経験し、手術を経て復帰を果たした桑田さんは、復活の途上にある錦織について「一度テニスから離れていろいろな経験をして、プラスになったことも多いのではないか。本を読んだりして、論理的思考などを身につけられたと思います」などと話した。

「試合に負けたときなどは後ろ向きの考えになってしまうが、マイナスのことを考えることも大事なんですよ。僕は常にポジティブなのはダメだと思う。ネガティブなことを考えながら、ここで自分はどうしたいのかと考え、目標を設定する。そこ(マイナスの地点)からプラスにするサイクルを作っていくと、ますます強くなる」

と、ケガで苦闘した錦織を思いやるコメントも。錦織に渡されるウイルソン製のサイン用ビッグボールに桑田さんが書いた言葉は〈試練〉。この言葉を記した理由を桑田さんは説明した。「試練というのは『つらい、苦しい、悲しい』だけのものじゃない。試練に遭遇したら『習して、また勇気を持って試合でそうよ』と。僕はそういう意味に受け取っている。試練イコール挑戦なんですよ」。

うーむ、さすが桑田さん。味のある言葉、桑田さんならではのエールだと思う。一方、杉山さんのアドバイスも親身で、しかも杉山さんらしいものだった。

「長いシーズン、常にいいパフォーマンスは残せない。いいときもあるし悪いときもあるけれど、そこには理由があるんです。なるべくしてなる。そこをしっかり受け止めて、今の自分には何が必要か見極めることで大きな選手になっていけるんです」

錦織も、WOWOWを通じてコメントを寄せた。「1年近くツアーから離れていましたが、本格的に復帰することができました。先週のチャレンジャー大会(米・サバンナ)で優勝することができて、とてもうれしかったです。今は右ひじの状態も良く、テニスの調子もよいので、トップレベルで活躍できるように頑張っていきたいです。桑田さんが私と同じ右ひじの手術から復帰されて大活躍されたことは、とても励みになります。桑田さんのように必ず復活しますので、見ていてください」

杉山さんがサインボールに書き込んだ言葉を引用して、この原稿のまとめとしたい。これはすべての錦織ファンの気持ちを代弁する言葉でもあると思う。

〈I Know You Can Do It〉

秋山英宏
Akiyama Hidehiro

秋山英宏

1961年生まれ。大学卒業後、フリーランスライターとしてスポーツ、レジャー分野を中心に雑誌、新聞で執筆活動を行う。1987年からテニスの取材を開始し、グランドスラムをはじめ、国内外の主要トーナメントを取材。テニス専門誌に多くの観戦レポート、インタビュー記事などを執筆している。日本テニス協会広報委員会委員。